The Killing of a Sacred Deeer(2017)

やはり、コリン映画の日本公開を見逃すわけにはいかないので、思い切って観てきた。恐れていたようなコワさはなかった。下書きとなっているギリシャ悲劇を理解しているとか、台詞をネイティブに理解する力が備わっていたら、もっと本当にこわいのかも、、

ダークなコメディ、、というか、きちんとした変な映画。

登場人物が全員、じわじわコワイ。

謎が多いわ。中でも:

その1、スパゲッティーのシーン。マーティンは「お父さんと食べ方が同じだ」と皆に言われて、父を受け継ぐのは自分しかいない、と思っていたのに、実はみんな同じ食べ方だと知って父親が死んだ時以上にショックを受けた、と言っていた....あれってどういう意味なんだろう???

その2、エンディング。ローカルダイナーを訪れて食事をするスティーブン一家。そこへ、マーティンが現れる。スティーブン一家のマーティンを見る目がもう、すごい。でも、スティーブン一家ってああいう店で食事をする?あそこはスティーブンとマーティンが待ち合わせに使ってたお店だよね??ひょっとして、マーティンと待ち合わせ?????

マーティンがどーしてあんなことができるのか、そこのところは解明しようがない。マーティンの怖さは謎として、問題はスティーブン一家の人たち。両親ともに医者で裕福で何不自由のない暮らしをしているように見えるけど、内情はかなり寒い。恐妻家のスティーブンは妻に似ているアナには厳しくできない。自分に似ている弟のボブには必要以上に厳しい。反対に妻のアナはボブには優しく、キムには厳しい。

スティーブンが3年前に禁酒したのは、マーティンの父親が手術中に死んだからだと思うので、罪の意識がある、後ろめたさがあるのは確か。でも、スティーブンがアナに言ってたとおり、父親が死んだのは麻酔医のマシューのミスなんじゃないの、と思う。けれども、自分が飲酒してたりしたら他人のミスを追求することはできないだろうし、マシューの方はそれを知っているから図に乗ってアナにあんなことまで。

スティーブンの弱さがマーティンをモンスターにしてしまい、自ら悲劇を増幅したのではないかと思います。罪の意識とか、後ろめたい気もちとか、そういうものを抱いて生きていくのは大変なんだな。

家族全員が、4つの悲劇の内容と、その1つを選ぶのは父親スティーブンであると知っている、という設定がコワイ映画。そして4つの悲劇のうち、選択肢から外れるものがなく、最後にあんなことになる家族って確かにそーとーコワイ映画。というように、私が常識内で想像するような話なら、カンヌで脚本賞はとらないと思うので、たぶん、全然、違うんだろう。笑

コリン・ファレル、ニコール・キッドマンでさえ、この映画の謎には答えられない、監督は説明する気はないということで。

(マーティンが、目には目、歯には歯をスティーブンに教えるシーン。あそこはちょっと嫌だったけど、最もこわかったのはやっぱり、マーティンのスパゲティーの食べ方。ゾッとした。次はお母さんがスティーブンに迫るシーン。あれはきつい。ゾッとした。でも、笑うシーンでもあるのだと思う、、)

Not even Nicole Kidman and Colin Farrell can answer the mysteries of 'The Killing of a Sacred Deer'
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by easternsky | 2018-03-08 09:26 | ドラマ・ムービー | Trackback | Comments(0) Top

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