『新説・三億円事件』(1992)

何かにつけてハマりやすい幸せなヒトではあるんですが(- -)、まさか織田裕二にハマるとは!と友人に言われつつ、司馬先生、外交官「黒田」、都倉先生、椿さん好きな私は、一体、次、何を見るべきなのか。過去のドラマ・映画を調査した結果、→「実録犯罪シリーズ 新説・三億円事件」にしました。1992年にフジテレビで放映されたドラマです。
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「3億円事件の有力な容疑者は現職白バイ警官の息子、19歳の少年A」という新説に基づいて、事件をリアルに再現しようとしたこのドラマは、賞なども獲っているらしい実力派!DVD化されておらず、当然、新品ビデオも販売してないので、中古のVHSを購入。レンタル落ちで年季の入ったパッケージ(・・)。画質はまあまあ。でも、たまに若干、妙なノイズが(- -)。



■「三億円犯人の真相に迫る!」謎解き的な犯罪ドラマかと思ったら~~~~。全然、違った、、、。「ドラマ」としてのクォリティは高いけど、私には無理。カンベンしてください~。号泣ものじゃないですか,!,!,!(以下、基本的にネタばれ、途中から激しくネタばれしておりますので、ご注意ください...

■織田さんの役は、誠。19歳。自称少年A。白バイ警官の父と、やさしい母親、素直そうなかわいい妹の4人家族。学歴が無いことがコンプレックスの父親は、息子に勉強部屋を持たせたいと(そうすれば勉強するだろーと)、退職金まで前借して東京郊外に建売の一軒家(570万円)をローンで購入。ごく普通の家族だったはずなのに、誠は中学2年の頃から荒れ始め、高校を中退。バイクや車の窃盗、車上荒らしを繰り返す札付きのワルになってしまう。

■誠は偶然知り合ったバーのマスターのアイディアに乗って、その才能(バイク・車の窃盗)と環境(白バイに詳しい、etc.)を活かし、3億円を首尾よく強奪!それが「お金のため」だったら、話は簡単なんですが、そうじゃなかったところが、この「新説・三億円事件」の悲しいところ。軸となっているのは、誠と白バイ警官の父(小林捻侍)との親子関係、そして、謎の男、バーのマスター(山崎努)との関係です。

■父親は、自分は口べたな男だから、口より手が先に出る性分だからと、過剰な暴力を正当化。息子が反抗する理由を知ろうともせず、世間に迷惑をかけるなと、息子を殴り続ける。一見、敵意を剥き出しにしているようだけど、誠が抵抗しようともしないで殴られ続けるシーンは見てられません...小林捻侍さんの演技が上手すぎるせいで、憎しみが芽生えました...

■誰にも心を開かず、突っ張り続ける誠の気持ちを、唯一、分かってくれて、誠の支えになってくれるのか、と期待したバーのマスターも、結局、勝手な大人の1人だった。というか、中身は空虚な「誠のオジサン版」(・・)。実は、誠に与えられるものなど、何も持ってはいなかった!!誠の面倒をみたり、何かを与える振りして、誠から大切なものを奪ってしまいました。利用しただけです。あれじゃ。だって

■■オッサン(by誠)ったら、最後は、誠を持て余して、結局、逃げちゃったんですから。握手をして、はい、さようなら、なんて、ほんと、「なんなんだよ!!」(by誠)としか言いようがない!若い誠を決定的に混乱させ、絶望させてしまいました。Sigh….誠だけなら、三億円強奪なんて大それた犯罪は実行できなかったのに!奪ったお金を燃やしてしまってどーする!お金がすべて、の人は哀れですが、大金を燃やせる人っていうのも、別の意味で救いようがない、、。誠は、そんな男のことを、「あんたが本当の父親だったらな。」とまで思ってたのに(「関係」を「試してみた」ようなので、誠が大笑いしていた通り、「変な親子」ですが←カナシイ,,,)、オッサンは、自分のことについては誠に何も話さないまま、去って行ってしまいました.....

■事件が起こった昭和43年当時は学生運動花盛りの時代で、当時の3億円は、1992年当時、20億円相当だったというのだから、並外れた犯罪です。警察はメンツと威信をかけて、総力戦で犯人を捕まえようとするんですが、次第に追い詰められていくのは犯人の誠ではなく、白バイ警官の父親のほう。警察官のくせに自分の息子一人を更生させられないのか!と責め立てられた父親は、ついに、息子と話し合いの場を持って正面対決!息子を自首させるのかと思いきや…..<以降、激しくネタばれ注意!>…..息子から真相を聞くでもなく、胸の中を聞くでもなく、「心中しよう。」と持ちかけて.....でも、結局、一緒に死んでやらなかった。嘘つきっ!

■■誠は即死だったようなので、父親が後を追わなかったことは分からなかったかも。そもそも、誠は、最初から、自分と一緒に死ぬような父ではないことを見抜いていたのかも。でも、自分の息子が本当に青酸カリを飲もうとしたら、普通、最後の最後で止めるでしょう!お父さん!!ヤリキレナイ,,,の上塗りは、母親も父親の行動を予想していたのではないか、と思われる描写がある点です。死後、見つかった妹宛てのメッセージからすると、覚悟の自殺とも考えられるけど、親に「死んでくれ。」と言われるのって、一体、どれほどのものだろう。たった1人で死んでいった誠がかわいそすぎる。青酸カリ入りの水を飲む直前、父親を見る目はやさしい目をしてたので、哀れなお父さんの最後の頼みを聞いてやったのかも知れません。

■やはり、人を犯罪に走らせるのは孤独なんですね。お父さんか、オッサンか、誰でもいいから、「マッポの度肝を抜くような」「デカイことやったって」「煮えたはらわたは」「スカッ!とはしないよ。」と誠に教えてやって欲しかったです。でも、説教できる大人である、ということは難しいことなのでしょう、きっと。自分のことについて話せることがないと、説教なんてできないんだろうな。

:::というわけで、見応え充分。見る価値大アリなドラマです。が、
わたしのよーに、ハッピーエンディングラバーにはキツイ内容でした:::


■で、織田さまです(笑)。月9の『東京ラブストーリー』(見てませんが、、・・)と『振り返れば奴がいる』の間に、この誠を演じていたなんて、凄すぎます。誠役は、セリフが少ない分、すべての言葉が胸に響きました。山崎努とのシーンでの笑顔が堪えました。織田くんの演技によって、父親も、バーのマスターも、少年係も、誰もがもてあました少年の「焦燥感」が、どれほどどうしようもないものだったのかが鮮明に描き出されていると思います。

■■天才外科医からチンピラまで、役ごとに顔つきも体つきも雰囲気も全然変えて、演じることができる織田さま、スバラシ過ぎます。このドラマでは全編、不機嫌な顔して、粗野な感じで、着たきりスズメで汚い系なんですが、それでも、たまにすごく美しい瞬間があるわけなんです。あれが、どんな役でもこなせる魅力であり、秘密ですね(ハマってますから、笑)。

■■■それに25歳くらい?で19歳の役を違和感なく演じられる、っていうのもスゴイ。そういえば、都倉先生も35歳位で30歳の役でしたよね?「セリク」の織田さんも若く見えたなあ。アマルフィ~の黒田外交官は実年齢くらいかな。きっと、狙えば年相応にも見せられるんですね。

■そして音楽が良かったです。日本のドラマっぽくない。なーんか、曲だけで私の悲しみモードにスイッチが入るな、と思ったら、コリンの『マイアミ・バイス』を思い出させる「音」がしてるんですよね。思ったとおり、曲は日本人じゃありませんでした。

■なんか、もう、気分がズドーンと、果てしなく落ち込んでしまったので、口直しに楽しいドラマでも見るしかないかも。それとも、「アマルフィ」にもう1度、行くかな♪
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by easternsky | 2009-09-07 22:24 | ドラマ・ムービー | Trackback | Comments(0) Top

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